鳥取県西部の民俗と石造物
サイノカミ、道祖神
米子市/淀江町
サイノカミ、道祖神
米子市/淀江町
最終更新:2024-10-7
略奪不能!!!
米子市淀江町福井のサイノカミは三ツ辻…というか丁字路にあります。
石垣で覆われた完全防備のサイノカミ。
いわゆるビルトイン道祖神です。
目印
無し
対象
双体道祖神
参考
塞神考 No.313
淀江みちくさ手帖
淀江町誌
依り代について
浅肉の浮彫りで、社殿の下向かって右の男神が佩刀のうえ槍を所持している所までわかります。
恐らく槍タイプだと思います。
類型 ⇨ 武装猿田彦タイプ
また、たいへん見えづらいですが、像の左右に
文政七年三月吉日
施主村中
と彫られているのが一部確認できます。
守備力のひみつ
石垣のくぼみ内に道祖神があります。
はめ込んだという説もありますが、依り代のサイズが穴より大きいですので、あくまで道祖神の上に石垣を築いたのではないでしょうか。
淀江町誌によると、
移そうとしたけど、
ここに居たいとお告げのあった霊験も伝えられている
のだそうです。
最後に町史よりもう一つ引用しておしまいにします。
道祖神を盗むことが半ばスポーツ化していたのがよくわかるエピソードです。
今の感覚からするとちょっと信じられませんが、こういうのが出会いや交流のきっかけになっていたのかもしれませんね。
サイノカミをぬすみにいく
上淀の力の強い若者たちが、サイノカミを盗みに行こうと相談し、一番小さい村の小さいサイノカミを狙って福井へ出かけた。
行ってみると石垣の中にサイノカミがはめられているので、残念がり、腹いせにアヒルをぬすんだ。
するとガアガアと一せいに鳴きだしたので家人につかまり警察につき出された。
しかし、ぬすみではあっても、もともとサイノカミぬす人であったので、ことわりして許してもらった。
上淀の力の強い若者たちが、サイノカミを盗みに行こうと相談し、一番小さい村の小さいサイノカミを狙って福井へ出かけた。
行ってみると石垣の中にサイノカミがはめられているので、残念がり、腹いせにアヒルをぬすんだ。
するとガアガアと一せいに鳴きだしたので家人につかまり警察につき出された。
しかし、ぬすみではあっても、もともとサイノカミぬす人であったので、ことわりして許してもらった。
淀江町誌より
表記ゆれ
サイノカミ、サイノ神、サイの神、才の神、才ノ神、塞神、塞の神、塞ノ神、幸神、幸の神、幸ノ神、妻神、妻の神、妻ノ神