サイノカミ、道祖神
米子市/淀江町
米子市淀江町小波浜のサイノカミは小波浜公民館の前にあります。
依り代は双体道祖神が3基。
それぞれ出自が町史により明らかになっていますので、引用も含めて解説します。
双体道祖神×3基
塞神考 No.326
石に刻まれた祈り2 No.56
淀江みちくさ手帖
淀江町誌
小波浜公民館前に大小三体のサイノカミ(道祖神)がある。
一番大きいのは明治中期に近くの小谷山の石でつくり、中型のものは、西原村のものを盗って来て祭り、小型のものは個人宅地内にあった(大・中のものは別の個人宅前にあった)。
三体共、昭和50年親友会(若者会)が現在地に移設した。
依り代について(左から2番目)
中型の自然石。
下地は面を整える程度で、双体神立像が線刻されています。
向かって右の男神は剣、左の女神は宝珠を所持。
右側には削り取られた跡があり、左側には明治三十四年一月日の文字。
町史によると、中型の依り代が西原村から盗ってきたものだそうですが、文字が削ってありますのでこちらのことでしょうか。
依り代について(左から3番目)
大型の自然石。
駒形の堀込みと内外に社殿風の装飾。
中には浅い浮彫りの双体神立像があります。
類型:淀江タイプ
こちらは小谷山の石で作ったと町史に書いてありますし、そもそも下記のとおり小波濱村と掘った文字が残っていますので、小波浜オリジナルの依り代で確定です。
向かって左に、
明治三十二年 十二月日
小波濱村
世話人 長谷川林太郎
渡邉安蔵
石工 西原村 延原三郎二
と彫られています。
依り代について(右端)
中型の加工石。
神前幕を模した堀込み。
中には注連縄の線刻と浮彫りの双体神立像。
駒型の加工石に線刻と彫り込みで神殿を、中には双体神立像が浮彫されています。
向かって右の男神は笏、左の女神は扇を所持。
頭にはんぺんのようなものが乗っています。
類型:烏帽子タイプ
表記ゆれ
サイノカミ、サイノ神、サイの神、才の神、才ノ神、塞神、塞の神、塞ノ神、幸神、幸の神、幸ノ神、妻神、妻の神、妻ノ神