米子市 淀江町 高井谷のサイノカミ
天の真名井の双体道祖神
サイノカミ、道祖神
米子市/淀江町
環境庁に指定された名水百選のひとつである天の真名井。
その泉のほとり、樫の根元に2基のサイノカミがあります。
ひとつは目立つので良いですが、もうひとつは道から見えない側にありますので、うっかり見逃さないよう注意が必要です。
いいですか?
2基ありますからね。
⇧ 一回見逃した
双体道祖神?基
塞神考 No.317
淀江みちくさ手帖
石に刻まれた祈り2 No.59
現地案内看板
淀江町誌
依り代について(道側)
中サイズの自然石。
円形の彫込みがあり、中に双体神立像がうっすらと浮彫りされています。
向かって右の男神は佩刀し、更に抜身の短剣を持っています。
女神は宝珠を手にしているそうですが見えません。
また、向かって左に
元治元年
甲子九月日
と書いてあるらしいのですが、やっぱりよく見えません。
類型 ⇨ 墓下タイプ
依り代について(泉側)
中サイズ、横長の自然石に円形の彫込み。
そこそこの大きさです。
中に線刻されている双体神立像が資料に掲載されている拓本により確認できます。
実物はさっぱり見えません。
実はもう1基…
ところで、泉のほとりに米子市教育委員会様設置の案内看板があるのですが、少し妙な点があります。
まず読んでみましょう。
※淀江町誌と同じ内容です
樫の木下の祠に鎮座する秋葉大権現は、集落を火災から守る神として信仰されています。
毎年四月には祭礼が行われます。
高井谷には、元治元年(1864)作の神像と、小型の持ち回り用の神像があります。
小型のものは良縁を願って、婚期の近づいた跡取りのいる家に持っていき、めでたく婚礼が終ると次の家に持ち運んでいくという風習があります。
おわかりいただけましたでしょうか。
元治元年作の神像 ⇨ 上記道側の双体道祖神
これはいいでしょう。
小型の持ち回り用の神像 ⇨ ???
問題はここです。
うっかり「ふーん、もう1基のほうか…」と流してしまいそうになる一文ですが、上記泉側の双体道祖神は控えめに言っても小型ではありません。
しかし助け船というものはあるもので、他の資料に以下のような一文があります。
ここまでのところで3基の依り代が登場しました。
そろそろ話をまとめましょう。
①泉のほとり、道側の双体道祖神
②泉のほとり、裏側の双体道祖神
③小型のポータブルサイノカミ
③が所在不明なんですね。
やれやれスッキリしたわい。
ちょっと待ってください。
じゃあ②はどこから来たんですか?
知らんわ!
もう勘弁してくれ。
表記ゆれ
サイノカミ、サイノ神、サイの神、才の神、才ノ神、塞神、塞の神、塞ノ神、幸神、幸の神、幸ノ神、妻神、妻の神、妻ノ神