鳥取県西部の民俗と石造物
牛馬供養塔、庚申塔
牛馬供養塔、庚申塔
最終更新:2024-12-02
下石見から白谷へ抜ける道の途中、無坂というところに3基の石造物が立っています。
うち1基は不思議な図案の庚申塔。
そして残り2基は町史には地蔵と書いてありますが、恐らく牛か馬であろう形をした宝冠がありますのでここで取り上げました。
庚申塔
単面四臂、剃髪、袈裟、憤怒相。
申鳥が描かれているほか、享保十三年 願主十八人 無坂(?)村 戊申七月吉日の文字が認められます。
ちなみにこちら上石見宗後の庚申塔と同形の石造物です。
上石見の庚申塔には戌申酉鳥、計4体の動物が描かれていたのに対し、こちらは申鳥2体のみ。
なんなんでしょうねこの違い…何かの暗号でしょうか。
また、無坂村だけでなく周辺(白谷村、塚原村、立岩村)の方々も願主として彫られており、わりと広い範囲から講に人が集まっていたと考えられるのだそうです。(町史)
平成28年、傾いていた庚申塔含め横の石仏も含めて再整備を行ったと、こちらも町史より。
不明の牛馬供養関連石仏
牛か馬の宝冠。
明治四十三年三月十日 福田吉平の文字が認められます。
合掌した立像で地蔵と間違えやすいパターンですが、意外と他の類型と違い顔は怒っています。
不明の牛馬供養関連石仏
牛か馬の宝冠。
大正三年月日 施主 片岡清太郎の文字が認められます。
柔和相で合掌した立像ということで、地蔵と間違えやすいパターンです。